通知の封を開け金子葵展を観てボナール本が届きデザートローズを購入する
( 某日。 数日前に自治体から自分宛に届いた郵便での通知を未開封のままにしていた。マイナポータルを開設しているのにいまだに紙で通知が来る。 対面ではなくポストに入っていた。封を開ける。予想していなかった嬉しい内容。要件を満たしていたようだ。要件を満たしているのであれば当然のことでありがたいと思う必要はないのだが、とはいえありがたい。封を開けてよかった。 買い物で外出する。買い物がてら展示をひとつ見ることにする。交通機関を乗り継いで下北沢駅で下車し下北沢アーツに立ち寄る。 開催中の金子葵個展「 魔法クラブ2 」を観る。 右中央の一番小さい作品の画像 木パネル、石膏、エンカウスティーク、アクリル絵具、油彩。 色彩のトーンと装飾性の強さが共通している。今年の春に大学を卒業し院に進学した作家。すでに完成したスタイルを持っているかのようだ。 「実家の雰囲気、古代遺跡、廃れた温泉街など過去の美意識に共感し製作する。 画集や展覧会で観たポンペイ遺跡の壁画に心を奪われ、一部の作品に取り入れているエンカウスティーク技法が作品をミステリアスに強く印象付ける。」 作家の言葉 「私の作品は絵画でありながら、短編のエッセイや物語のような側面も持ち合わせています。モチーフやコンセプトは、実際に目にした風景や自身の体験、そこで揺れ動いた感情から生まれます。 私は、かつてバブル期に栄えた観光地のある町で幼少期を過ごしました。今では人影もまばらになったホテルや、当時の名残をとどめる装飾が街のあちこちに残っており、栄華の痕跡とその後の静けさが同居するような空気に、子どもながらに強い印象を受けました。 また、ふと立ち寄った場所で、空気が妙に静かすぎたり、理由のないざわめきを感じたりすることがあります。そこに何があるわけでもないのに、思わず足を止めてしまうような空間の気配は、私にとって重要なモチーフのひとつです。 ビジュアル面では、廃墟や古びた風合い、伝統的な模様、バブル期の建築といった、時代を越えて残る過去の美意識から多くの影響を受けています。 技法においては、作品ごとに石膏地やエンカウスティークなど複数の素材を使い分けています。特にエンカウスティークには、素材としての質感に加えて、その技法が使われていた古代都市ポンペイの歴史に強く惹かれるものがあります。突然終わりを迎えた文明の痕跡には、バブル期の栄華...