ひとりごとを言う能力「精神健康の基準について」
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某日。
同居しているパートナー (she/her) が仕事で2日外泊している。その間誰とも喋らず過ごす。誰とも話さないけれども、少しひとりごとを言っていることに気付く。
中井久夫氏がひとりごとを言う能力について書いていたことを思い出す。
本棚から本を取り出し探してみると、精神の健康の基準の一つとして「独語する能力」を挙げていた。中井久夫「精神健康の基準について」、『「つながり」の精神病理』(ちくま学芸文庫)所収、pp. 237-248 (ここでは p. 247)。
「精神健康」とは「精神健康をあやうくするようなことに対する耐性」と定義され (p. 237)、17の耐性能力について述べられている。
「精神健康の基準について」は30年ほど前に違う著作所収版を読んで心を打たれた記憶がある。
引き続き本をチェックしてみる。
『精神科医がものを書くとき』(ちくま学芸文庫)所収「ストレスをこなすこと」では、独語についてのエピソードとして、国連からアフリカの奥地に独りで派遣され喋る相手が誰もいない状況で長期間過ごした人が、そういう状況下ではいろいろ独語していないと精神的にやっていられない、と中井氏に言っていたことを挙げている (p. 287)。
『世に棲む患者』(ちくま学芸文庫)所収「医療における人間関係-診療所治療のために」でも、ひとりごとについて同趣旨のことを中井氏に語った別の日本人のエピソードについて書かれている (pp. 225-6) 。
「壁に向かってひとりごとを言うより、人間に向かってひとりごとを言うほうが精神衛生にいいわけです。壁に向かってひとりごとをいっても、何も言わないよりましです」 (「ストレスをこなすこと」、p. 287)。
『「思春期を考えること」について』(ちくま文芸文庫)所収「教育と精神衛生」でも上述2エピソードに触れている。何度も言及していることからすると、中井氏はこれらのエピソードに強い印象を受けたようだ。事実、これらのエピソードは「私に壮絶な感銘を与えた」と記している (pp. 102-113; ここでは pp. 111-2)。「壮絶な感銘」とはあまり耳にしないフレーズである。よほどの感銘だったのだろう。
『精神科医がものを書くとき』別の箇所では、精神健康の17の基準を大きく分けて3つにまとめている。
1. 自我を「まとめる力とひろげる力」
2. 「内界と外界の区別」
3. 「世界の中心であるとともに世界の一部」だと同時に感じる能力
が機能していること。
「公的病院における精神科医療のあり方」(同書 pp. 163-187 所収; ここでは pp. 169-171)。
さらに、中井氏が精神だけではなく身体についても素晴らしい小文を書いていたことを思い出す。
中井久夫氏の諸著作を繙いて1日が終わる。
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5:30 起床。NY市場終値をチェックする。
雨。柱サボテンとボトルツリーは雨が止むまで室内で待機。
シャワーを浴び、珈琲を淹れ、読書をする。
スロージョギング。ゆっくり腕立て伏せ50回。
9:00-9:30 第一食。自炊。マグネシウム (にがり顆粒 2g)、ビタミンB (Dear-Natura Mix)、ビタミンC (L-アスコルビン酸 1.5g)、ビタミンD3 (Health Thru Nutrition 10,000Iu)、ルテイン、ゼアキサンチン、イヌリン粉末 5g、グリシン粉末 3gを摂取。
ストレッチ、音楽、読書、絵画等作品鑑賞、ホットココア。
Organic Psyllium Whole Husk Fiber 5g を水に溶いて飲む。
15:30-16:00 第二食。自炊。亜鉛 (Nature Made 10mg)、ビタミンC (L-アスコルビン酸 1.5g) を摂取。
Coconut oil pulling、腹式呼吸、就寝。
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