ヨーロッパ絵画の色彩についての書籍を読みウィスキーを飲む
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某日。
終日在宅の予定だった。
Marcia B. Hall, The Power of Color: Five Centuries of European Painting (Yale University Press, 2019)
の15世紀から17世紀まで章を読み進める。著者の専門である15世紀、16世紀のイタリア絵画についての章が特に面白い。自分の知らないことが多いせいもあるだろう。
ベラスケスDiego Velázquez (1599-1600「ヴェ」ではなく「ベ」で表記するのが一般的なようだ) が登場しない。1箇所に短い言及があるのみで作品画像掲載がない。
たしかに、現在名前がそれなりに知られ作品が美術館に所蔵されている全ての画家を取り上げるのは無理だろう。例えばGeorges de La Tour ジョルジュ・ド・ラトゥールやJohn Constable ジョン・コンスタブルも登場しない。あるいはマネによる「画家の中の画家」というベラスケス評に同意するかどうかも別にしよう。そうだとしても、作品図版は多数掲載され色彩が論じられているティツィアーノ・カラヴァッジオ・ルーベンス・レンブラントと同程度の扱いを受けても不思議ではない画家だと思うのだが。
ティツィアーノへの強い関心から豊かで華麗な色彩を用いたルーベンスとの交流を通じて、ベラスケスも色彩に重きを置いた作品群を描いていた (時期があった) はず。この書籍ののちほど論じられる印象派に影響を与えたと言われているし、この書籍でのベラスケス不在を不思議に思う。わからないけれども何か理由があるのだろう。
ベラスケスの評価と言うと、セザンヌの言ったとされる次の言葉をいつも思い出す。
「ベラスケスか、それはまた別の話だ。彼は復讐した… あの男は、自分の隅っこで絵を描いていた。…彼にとりつこうという馬鹿なやつが、…王様の前に連れて行ったりした… あの頃は、まだ、写真というものが発明されていなかった… では、私の肖像画を書いて下さい、立っている姿で、馬に乗った姿で、それに妻や娘や、それにあの道化もあの乞食もあいつもこいつも… それでベラスケスは、国王の写真家になってしまったんだ… あの気の狂った男のおもちゃにされた… 彼は自分の偉大な魂と自分のなしとげたい仕事、すべてを腹のなかにしまい込んでしまったのだ… 獄中にいるようなもんだった… まったく逃げようがない… 彼は、すさまじい復讐をしたのだ、あの人たちのありったけの欠陥や悪癖や頽廃を入れて描いたのだ… 彼の憎悪と彼の客観性とが一体となったのだ… 」(ガスケ「セザンヌ」(岩波文庫)、p. 342)
上のベラスケス評の前にセザンヌはレンブラント・ルーベンス・ティツィアーノについて以下のように発言している。
「レンブラントやルーベンスやティツィアーノは崇高な妥協をして、一気に自分たちの全人格と、目の前にあるこの肉体とを、融合するすべを知っていた。肉に自分たちの情熱を吹き込み、ほかの人々の顔に似せながら自らの夢や悲しみに栄光を与えた… 全くそうなんだ… 私にはそれができない... 」(同書、p. 340)
セザンヌのレンブラント・ルーベンス・ティツィアーノ評を受けて、ガスケがセザンヌに尋ねた「ベラスケスは?」という質問への答えが、引用したセザンヌのベラスケス評である。そういうわけで「ベラスケスか、それはまた別の話だ。」と始まっているのだった。
The Power of Color に戻る。15世紀の章を読んだことで、Fra Angelico (1395-1455) の作品集を購入しようかと考える。1冊も持っていないのだった。ネット検索をする。2冊見つける。
Jacqueline and Maurice Guillaud, Fra Angelico: The Light of the Soul --Painting Panels and Frescoes from the Convent of San Marco, Florence (Clarkson Potter, 1986)
上記リンク先での価格はとても高い。日本の古本屋を調べてみると、そこまでは高くない価格で販売しているのを見つける。
もう1冊はFra Angelico (Metropolitan Museum of Art Series) (Metropolitan Museum of Art, 2005)
と検索して、最近また購入する書籍が増えつつあることを考えて、ひとまず本日は購入しないことにする。
部屋を少し整理してなんとか書籍をまとめて配置する。床に置かざるを得ない書籍が増えている。もう本棚は満杯。
整理するときの常で、書籍を入れ替えている時につい書籍を開いてしまい、整理だけならばそれほど時間がかからなかったはずが、思いの外時間を取ってしまう。
Bill Evans, The Complete Riverside Recordings Disk 5 などを聴く。
Portrait in Jazz, Sunday at the Village Vanguard, Waltz for Debby 録音期のオリジナルテイクや別テイクが収録されたディスク。聞き飽きない。本を開いている最中に、今度は曲を聴く方に意識が向かってしまい、さらに整理に時間がかかる。
夜、外出先から帰路に着くパートナーよりバーで合流の打診が来る。終日在宅のつもりだったけれども外出する。
シングルモルトウィスキーを飲む。
やや遅めに帰宅する。
6:30起床。
グラス一杯の水を飲んで柱サボテンとボトルツリーをヴェランダに出す。
シャワー。
大きめのカップに珈琲を淹れる。オーガニック豆 20g、260ml。飲みながら読書など。
ヴェランダで日光を浴びる。
スロージョギング。腕立て伏せ10回x 10セット。
9:00-9:30 第一食。自炊。マグネシウム (にがり顆粒 2g)、ビタミンB (Dear-Natura Mix)、ビタミンC (L-アスコルビン酸 1.5g)、ビタミンD3 (Health Thru Nutrition 10,000Iu)、亜鉛 (Dear-Natura, 14mg)、ルテイン、ゼアキサンチン、コリンサプリ、タウリンサプリ (1000mg)、ナイアシンアミド (500mg)、イヌリン粉末 6g、グリシン粉末 3gを摂取。
ストレッチ。ホットココア (オーガニック、非アルカリ処理)。
音楽、読書、雑用、休憩、youtube。
自宅に設置してある絵画、織物、器、織物、立体作品、を観て諸感覚にリズムと調和を与える。
15:30-16:00 第二食。自炊。ビタミンC (L-アスコルビン酸 1.5g程度) を摂取。
マグネシウム (にがり顆粒 2g) を摂取。
休憩。連絡がありバーに向け外出。
帰宅。就寝。
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