日本橋三越で平野泰子個展などを、日本橋高島屋でグループ展などを観る

( 某日。 自宅で自炊第2食目を摂る予定で午前中に外出する。良い天気。 交通機関を乗り継いで三越前駅で下車する。いつものように地下から日本橋三越本店に入り、地下食品街を歩いて視覚と嗅覚を楽しませてから6Fに昇る。 コンテンポラリーギャラリーで開催中の平野泰子個展「 Sign 」を観る。 上の画像中左作品の左上部分 木製パネルにキャンバス、膠、石膏、油彩。 作家の言葉 「私の作品は、風景を通じて私たちの視点や記憶について考察しています。 制作の最初の手順として黄、赤、青の絵の具を幾層にも塗り重ねて行きます。 それは視覚的な風景以上の深さと空間を表現するためです。 ここでの風景とは、日常的に目にする空や木々、夜の闇、そして私の幼少期を過ごした富山の山々など、身体的に感じ、蓄積した、あるいは潜在的な風景を指しています。 三原色を塗り重ねて行く過程で生じる絵の具のムラや、グレースケールの空間は、作品が完成していく過程で呼びかけられているような感覚を感じ させることがあります。最終的なイメージだけでなく、絵を描くという行為 そのものにも重きを置き、注視することで、「不確かさ」や見えないけれど 感じる「気配」のようなものにアクセスします。 最後に乗せる筆跡や形は、時間の経過や私たちの知覚の一時性を示すような印のようであり、考察するよう促します。 「知覚の一時性」とは、描くことで過去の特定の瞬間が蘇り、その瞬間に再び想いを馳せることを意味 しています。 絵を描くことで、過去の瞬間を再体験し、その時の感情や記憶 に触れることができると考えています。 私の作品は、層と表面の関係においても特徴を持っています。作品の支持体に関しては、描画方法の変化とともに、平坦さが重要になりました。 以前は木枠にキャンバスを張ったものに描いていましたが、キャンバスの布目を消すために、自作のジェッソを用い、乾燥後に研磨する工程を施し ています。この方法で作った支持体に塗り重ねた絵具は、生乾きのまま塗られるため、層でありながら平坦な表面を保っています。 「絵を描くことで、過去の瞬間を再び体験し、その時の感情や記憶に触れることができる」と言いましたが、私は潜在的な体験を作品に込めようとし ています。それが、見る人にとって鏡のような作品であることを願っています。」 同フロアーで開催されている武田...