「特集=就職氷河期世代/ロスジェネの現在」を外食中に読む

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某日。

エントリー「伊勢丹新宿店に行く」の続き。

伊勢丹新宿店地下食品街をぶらつきメンズ館でのアートを観た後に、あるお店で本日第2食目を摂りながら『現代思想2022年12月号 特集=就職氷河期世代/ロスジェネの現在』を読む。 


冒頭の「討議 雨宮処凛+生田武志+杉田俊介 この荒野のような世界で」

2007年に出版されたフリーターズフリー 01号 (人文書院)、2008年に出たフリーターズフリー02号 (人文書院) で執筆していた3人。どちらも出版時に購入して読んだ。今も所有している。

討議で言及されている赤木智弘『「丸山眞男」をひっぱたきたい—-31歳、フリーター。希望は、戦争』(『論座』2007年1月号) も話題になったこともあって掲載時に読んだ。こちらで読めるようだ。

あれから15年が経過している。

支援者・活動家でもある雨宮氏の発言から

 <私が生活保護申請に同行した人たちのなかでも10代から40代の若い世代の特徴として… 欲望も自尊心も奪いつくされて破壊されて、ただただ社会に怯えて生きている感じ> (p. 20) があるとのこと。

討議では湯浅誠さんが言う貧困問題の「5重の排除」=「教育課程」「企業福祉」「家庭福祉」「公的福祉」そして「自分自身」からの排除、が言及されている。

 <一部の超安定層を除いて、いまの日本ではほとんどの人が「5重の排除」前提で生きていますよね。そのなかで互いに蹴落とし合う…> (p. 21)

学術論文ではないので学術論文に使用されるようなデータが提示されているわけではないけれども、支援活動を通じてそのような実感が確かにあるということだろう。

雨宮氏同様、生活保護申請に同行するなど支援活動を行っている生田武志氏もこのような感じを持っているようだ。

「5重の排除」が記されているのは湯浅誠『反貧困「すべり台社会」からの脱出』(2008) 。これも出版当時読んだ。今も所有している。

杉田俊介氏の発言から
<基本感覚としてはもう果てしない後退戦で、とめどなく悪化していく状況を少しだけ遅らせる程度しかできない、と言う思いは正直あります> (p. 22)

「証言と提言」として所収されている、上記フリーターズフリーでも書いていた栗田隆子氏による「凍りついたままの時代」の、および同じく上で触れた赤木智弘氏による「排除され続けた就職氷河期時代 そして至った必然」の、叫びにも目を通す。

この本で記述されている暗澹たる事態と、直前に伊勢丹新宿店で見た光景との隔たりに眩暈がする。食べながら読んでいて食欲がなくなってしまう。

高橋悠治のバッハ: ゴルトベルク変奏曲、を聴く。


帰宅する。

マグネシウム (にがり顆粒 1g) を摂取、coconut oil pulling、軽くストレッチ、就寝。
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