表参道で山本亜由夢個展を観て色彩を浴びる

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某日。


Art Trace Galleryを出て両国駅に戻る。ここに来た時には立ち寄ることが多いギャラリーMoMo両国とLight House Galleryには立ち寄らず。

次の目的地は表参道駅。両国から都営大江戸線で青山一丁目まで行き半蔵門線に乗り換え表参道駅まで行くか、あるいはJRで御茶ノ水駅まで出て新御茶ノ水駅から千代田線に乗り表参道駅まで行くか。後者にする。 

表参道駅に到着する。人で賑わう表参道の表参道ヒルズ側を原宿方面に歩き、表参道ヒルズ手前の斜めの道を入る。MAKI Gallery に着く。

開催中の山本亜由夢個展「Travel the topics」を観る。

入り口のドアを開けてすぐ正面に設置されているメインヴィジュアル大作


他にも大作から小作品まで。




上掲最後の画像中の3枚の作品を1つずつ




他にもたくさん







こちらのプレスリリースに作家、作品、本展示、について記されている。

個々の画面中の動植物・人物に注意が向かう前に、そして注意を向けようとしても、色彩に感覚が持っていかれる。目を少し動かずと他の作品の色彩が目の周囲から入ってきて、ほとんど色彩を浴びるだけの鑑賞体験になる。色彩の情報量だけで感覚が飽和する。

在廊されていた作家とお話しする。作家には初めてお会いするけれども、作品は2019年に西荻窪のギャラリーフェイストゥフェイスで開催された個展から観ているから、作家のごく初期のキャリアから観ていることになる。その後も国立のコートギャラリーで開催された個展を観ている。これらのことと、フェイストゥフェイスのギャラリストさんが「期待の新星が現れました」とメールで興奮気味に記していたことを思い出し、そのように言っていましたよ、と作家にお伝えする。ギャラリーの方も含めて、以前と変わったなあと思うことはありますかと聞かれて、色彩が鮮やかにヴィヴィッドになったように感じること、色彩を乗せる単位同士がより緊密に定着している感じがすること、を挙げる。以前は彩度がもう少し弱めで色彩の単位も浮遊しているような感じがあった。良い悪いということではなく、そうした特徴が以前の作品には合っていたのだろう。作家も同意という感じだった。

山本さんはこのMAKI Gallery の所属作家になっており、今回は所属して初めての個展だったようだ。上掲の作品群で、1番最初の作品以外は売約済みだった。順調なスタートなようで作家・ギャラリー・コレクター・美術界にとって良い。

これで終わりではなかった。奥の部屋では、作家が描き溜めている大量のドローイングから、ギャラリーの社長と一緒に選んだ大量のドローイングが壁面に設置されたインスタレーションが展示されている。





過去5年以上のドローイングから。設置されているだけでも相当な枚数だけれども、設置できなかったドローイングが200枚ほどバックヤードにあるとのことだった。

1つ1つの情報量が多いドローイングがこれだけ多く設置されているとさらに感覚が飽和してくる。作家に、先に観た大作群の感覚を引きずっているせいか、このインスタレーション部屋に居ると、ドローイング1つ1つがあたかも色彩の単位であるかのように、そしてそれが組み合わさってこのインスタレーション全体が1つの作品であるかのように、感じることをお伝えする。

その上で何とか1つずつ観る。図柄として珍しいと感じた作品。壁面の1つの中央に設置されている。


お聞きすると、ギャラリーの社長が選んでここに設置したそうだ。作家曰く自分だったらそうしなかっただろうとのことだった。

青色が気になったドローイング


ごく最近のものとのこと。

1番気になり惹かれたドローイングはこれ。


大量のドローイングを観ている中で、これだけが他のドローイングと異なった印象を与えたので気になり惹かれたのだった。これ「だけ」、は言い過ぎなのかもしれない。
感覚が飽和しつつある条件下でドローイングを観ていたから、他にも異なった印象を与えたかもしれないドローイングに気付かなかった可能性もあるだろう。それでも、このドローイングだけが異なる印象を与えることを作家にお伝えすると「あ、それは鋭いかもしれません」と仰る。通常は下書きを一切しないで描き始める、予め構図を考え描いてから描き始めるということはしない、のだが、このドローイングだけは、まず構図を考えその下書きを描き、それから色を置いていったのだという。多数のドローイングの中で、制作過程に違いがあるこのドローイングに関してだけ異なる印象を持ったということで「鋭い」ということなのだろう。とはいえこの制作過程の違いが作品の印象の違いの唯一因ではないのかもしれない。そもそも制作過程の違いがどのように作品の印象の違いに現れるのかもわからない。そういうわけで鋭い「かもしれません」なのだろう。ただ、異なる印象を受けたのは確かで制作過程もこのドローイングだけが異なるのだった。ちなみに作家が続けるに「その構図下書きを元に描いた大きな油絵は壮大な失敗に終わりました」とのことだった。

作家にドローイングは購入可能なのかお聞きすると購入不可とのことだった。今回は全体でインスタレーション作品なので。ただ今後販売を考えるかもしれませんとのことだった。もしこの展示で購入可能だったら、上掲最後の1番気になり惹かれた作品を購入するつもりでした、と伝える。

ドローイングもゆっくりと観て完全に感覚が飽和する。作家とギャラリーの方に「感覚が疲れました!」と伝える。作家曰く「情報量が多いとよく言われます」とのことだった。作家はしかし毎日複数の画面と接してその情報量を処理しているわけで、疲れないかお聞きすると、作家にとっては通常の情報量で通常の環境という感じです、とのことだった。

「また展示を行いますのでよろしければ是非お越し下さい」とのこと。ギャラリーに所属したということで、作家としては定期的に展示する、ギャラリーとしては展示のために最良の支援をする、という契約があるのだろう。是非お伺いしますとお答えしてギャラリーを出る。

もう1つ展示を観ようと思っていたのだが感覚が疲弊しているため諦めて帰路に着く。

Ralph Towner, Travel Guide


を聴きながら。

帰宅。

16:00-16:30 第二食。自炊。ビタミンC (L-アスコルビン酸 1.5g程度を摂取。


雑用、音楽、読書、youtube。


オーガニック生姜粉末を溶いた熱い生姜湯を飲む。

 

マグネシウム (にがり顆粒 2gを摂取。

 

Coconut oil pulling、軽くストレッチと腹式呼吸、就寝。

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