永井博作品展を観て1980年代後半を懐かしむ
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某日。
エントリー「レモンを頂戴し、かなもりゆうこ個展を観る」の続き。
奥野ビルを出て小雨の降る寒い天気の中 Ginza Six まで歩く。
銀座蔦屋書店のフロアーに上がり、開催中の永井博作品展「THE JOURNEY BEGINS vol.2」を観る。
永井博のベスト版作品集『THE JOURNEY BEGINS』増補改訂版の刊行記念展。
そこでも記したように永井氏のイラストは大瀧詠一 A Long Vacation のジャケットで知った。

個人的な記憶・懐かしさで言えば鈴木英人さんのイラストを見た時の方に、より強い懐かしい感触が込み上げてくる。
どちらのイラストの記憶の根底にあるのは、今となってはまがい物だったかもしれないけれども、これから先、予測できない良い可能性が社会に開けているという根拠のない楽観への体の感覚だった。若い頃にその気分に晒されたせいか今でも体が覚えている。1984年から1988年くらいだろうか。バブル絶頂期というよりもバブル直前から初期の、あり得たかもしれない良い未来が待っている感覚。1990年にはこの感覚はもうなかったと思う。永井博さんや鈴木英人さんのイラストをみると、あの感覚が、それは偽りへのそれだったのだろうという苦い思いとその後の惨状への諦念とともに懐かしい感触として込み上げてくるのだった。同じ時期に多分レコードジャケットの感触から手に取って聞いたNed Doheny, Hard Candy
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