所蔵する矢野静明さんの青い作品を改めて観る
(
某日。
Andrés Beeuwsaert, Dos Rios
Marcia B. Hall, The Power of Color: Five Centuries of European Painting (Yale University Press, 2019)
に触発されて自宅にある色彩を改めて観ている。エントリー「ヨーロッパ絵画における色彩に関する書籍を読み、自然草木藍染糸の色彩を堪能する」「桂離宮についての書籍を買い逃し、所蔵する小林達也さん・内海聖史さんの絵画を観る」「所蔵する矢野静明さんの赤い作品を観て料理を作る」の流れ。
15世紀イタリア絵画の章で、絵画に使用されているウルトラマリン ultramarine (聖母マリアの衣服)、ヴァーミリオン vermillion、ゴールドという3つの色について記述されていた。この頃のウルトラマリンは天然ラピスラズリから作られた非常に高価な顔料。
天然ラピスラズリ使用ではないけれども、ウルトラマリンを含めた青い色彩主体の作品を4点、自分は所蔵している。いずれも矢野静明さんによる作品。改めて観る。
サイズの大きい順に。
タイトル: 深み 2 (2003)
1110x1030(mm)
水彩、木炭、アルシュ水彩紙
セルリアンブルー、ウルトラマリン、コバルト、プルシャンブルーの水彩絵の具を、色の薄い順にそれぞれ何度も染み込ませては布巾で拭き取る工程を繰り返して出来上がる複雑で静かに迫ってくるような深い青み。大きなサイズの作品でそのような青色の存在感がすごい。紙はなめし革のような質感になっている。画中、黒味の強い箇所は、木炭を擦り付けるように描いては拭き取る作業を繰り返すことでできている。Tの字のような、あるいは袖の長いセーターのような。素晴らしい作品。
エントリー「公的機関でセミナーに出席し、福田笑子さん作品を受け取り設置する」で記したように、現在はこの作品の前に天井から吊るした福田笑子さんの作品が設置されている。
不思議な形象の立体作品が引き立つと思ったのでこのように設置した。線が際立ち、な重力の拘束から逃れてあたかも宇宙空間あるいは深海にぽっかりと浮かんでいるかのようで。
2つ目の青作品
タイトル: 移動・移民 (2012-17)
765x565(mm)
水彩、パステル、インク、木炭、紙
目を近づけてみると極めて複雑な作品であることがわかる。さまざまな青い水彩絵の具を染み込ませ布巾で拭いた紙にインクで形象・紋様・文字が書かれている。その上にさまざまな青いパステルが乗せられている。パステルで図形や紋様も描かれている。これに木炭で描かれた4つのオタマジャクシのような部分が加わる。最後に、画面左側と上部にある濃い青の部分はパステルで描かれた別の作品が切り取られて貼り付けられたもの。
貼り付けられる前
3つ目の青作品
タイトル: 小説家の両親 (2005)
380x343(mm)
水彩、インク、パステル、紙
複雑な緑がかった青水彩、インクで描かれ水彩で滲んだ2人の人物像。この作品にも貼り付け部分がある。画面の上部左右の角に横長の青い部分、及びその横長の部分の中に見られる正方形に近い部分。また、画面最下部にはほんの少し右側に上がっている線があり、その上下で異なる青色が配置されている。この線の下側、画面の最下部を構成する部分も貼り付けられた部分。
画家の言によると、「小説家の両親」の画面は、ヴァルター・ベンヤミンの『図説 写真小史』(ちくま学芸文庫) に掲載されている、ドイツの写真家アウグスト・ザンダーによる「作家ルートヴィッヒ・マタールの両親」という写真に基づいているとのことだ。もともとは、A・ザンダーの写真集『時代の顔』に収められていた写真。
4つ目の青作品
タイトル: no. 6 (2014)
240x175(mm)
水彩、インク、パステル、紙
塗り重ねられ拭き取られてできた複雑な水彩による青。画面1番下の部分は、他のパステル作品から切り取られて貼り付けられたもの。画中には、インクで横顔の人物が左右両端それぞれに向かって描かれている。さらに文字・文章、紋様やもう一つの顔を半分構成するかのような線、がインクで描かれている。小さいけれども極めて複雑な画面。
これらの作品も、エントリー「所蔵する矢野静明さんの赤い作品を観て料理を作る」
で記した赤作品群と同様、部屋に設置してあり在宅の時は毎日観ているのだが、改めて観てやはり素晴らしいと感じるのだった。
赤い作品群の総面積よりも青い作品群の総面積の方がはるかに大きい。赤の刺激を青が静かに抑える。自分にとっては赤の占める割合はこれくらいがベストだと感じている。青は青なりの仕方で迫ってくるのだが。
6:00 起床。
NY市場終値をチェック。
グラス一杯の水を飲んで柱サボテンとボトルツリーをヴェランダに出す。
シャワー。
大きめのカップに珈琲を淹れる。オーガニック豆 20g、260ml。飲みながらネット徘徊など。
スロージョギング。腕立て伏せ10回x 10セット。
9:00-9:30 第一食。自炊。マグネシウム (にがり顆粒 2g)、ビタミンB (Dear-Natura Mix)、ビタミンC (L-アスコルビン酸 1.5g)、ビタミンD3 (Health Thru Nutrition 10,000Iu)、亜鉛 (Dear-Natura, 14mg)、ルテイン、ゼアキサンチン、コリンサプリ、タウリンサプリ (1000mg)、ナイアシンアミド (500mg)、イヌリン粉末 6g、グリシン粉末 3gを摂取。
ストレッチ。ホットココア (オーガニック、非アルカリ処理)。
読書、音楽、雑用。
15:30-16:00 第二食。自炊。ビタミンC (L-アスコルビン酸 1.5g程度) を摂取。
休憩。youtube、雑用、音楽。
マグネシウム (にがり顆粒 2g) を摂取。
Coconut oil pulling、軽くストレッチと腹式呼吸、就寝。
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